11月11日(木)NO,2
研修報告。
講師は、「遊育」代表取締役兼発行人の吉田正幸氏。
いわゆる業界の専門誌の代表で、保育業界の情報や制度理解、政策提言に関しては第一人者。
何度も講演を聞いていますし、雑誌「遊育」も読者。大いに楽しみに聴講。
「新システムの動向と幼保一体化の行方」~私立幼稚園の可能性と今後の課題~と題して行われた。
結論から言えば、現在の新システム関連の法案が通るかどうかは微妙。
それはそれとしてすべての幼児のためには、子育てに関連する政策の見直しは必ず必要であるということ。
理由は、子どものいる家庭の世帯状況や就労構造が変化してきていること。
ただし、保育制度だけ見直せばいいというものではなく、労働環境・働き方を見直さなければ社会変化に対応した制度にはならないということ。
ワークライフバランスの推進は必要。
現在の問題点
保育所の入所基準の「保育に欠ける子」が、市町村によって基準がばらばらで、フルタイムに近い就労をしていなければ認められない地域もあるし、週数日の短時間でも認められると地域もあり、国がしっかりと保育に欠ける基準を示す必要があるということ。これは納得。今後はどうも2段階程度に分けられるのではないか?とのこと。
現状、3歳~5歳児では、幼稚園に通う子が5割、保育園に通う子が4割、それ以外が1割。これでは、すべての子どもたちに幼児教育を保障していることにはならない。この点も見直す必要がある。(保育園が実際に幼児教育を行っていないということではない)
今後の政策見直しの観点
まず、国としてどのような幼児教育をすべての子に行っていくのか大きなビジョンが示されていない中で、幼保一体化だけ論じるのはおかしいのでは? 過日そのことを民主党の政調で意見を述べてきたと語ったように、業界やいろいろなところから反対意見がでるのは、その点が欠けていると指摘していた。(納得。現政権の多くの政策が???と思うのはわたしだけでしょうか)
新聞報道で幼保一体化のために、既存の幼稚園、保育園制度を廃止するということが最初に流れたが、既存の学校教育法、児童福祉法の枠を今の幼稚園、保育園に当てはまるようにし、両方の機能を持たせるイメージであることが今回のこども園制度なので、廃止という表現は適切でないとのこと。
幼児教育は4時間でいいと思うが、そのほかの生活の基盤を支えるという意味で長時間の保育をしていくべきで、子どもの生活を守るという観点が大事である。生活基盤の保障という考え方が必要とも。
最後に質の話があったが、「質」って説明できますか?と質問が投げかけられた。
「質」を説明するのは難しい。それであるならば、質に大きく影響を与える要因。すなわち教育・保育内容を見直し常に進化させる実践が必要である。現場は、子どもの育ちの姿を証明をすること。入園してから卒園するまでの間にどれくらい成長をしたか、そのことによって質の高さを証明しなければならない。それは決して早期教育というものではなく、気力や体力、意欲、想像力、好奇心、探究心、協調性、感性などなど、小学校以降の学力を支える基盤になる力であること。
幼稚園協会も反対するだけではなく、日本の幼児教育をどうするのか?そして制度はどのように設計すべきか?政策の対案を示さなければならないのではないか?との言葉には納得。
ということで、以前から書いてきているがどんな制度になろうとも地域の皆さんに愛され、しっかりとした保育(客観的に質を認めてもらえる)をしっかりしていきたい。また、たとえ批判を浴びるようなことがあっても信念を持って責任ある発言を協会で行っていきたい。(全日私幼連にも持論は意見しました。)