6月16日(土)
『公共の思想は、権力者に不可欠な資質である。権力が私されるところに未来はない。
と、同時に晩年の新平が政治の倫理化運動で提唱したように、われわれ庶民が「自治」に目覚めなければ公は機能しない。さまざまな人々が集まる中で、誰かに決定を任せてしまうのではなく、自分たちで相談しながら物事を決めていく。その過程で「私」と「他」の交わりを見出し、ともに生きる縁を探る。この行為の積み重ねでしか、地に足のついた公は確立されない。「青臭い」と言われようが、そこにしかファシズムが背後から忍び寄る危険を絶つ方法はないのだろう。』
(『後藤新平 日本の羅針盤となった男』 山岡淳一郎)