10月12日(金)
今日の一言(214)
『この時分からは、あまり細かい劇的所作はやらないようにすべきである。だいたい、自分にふさわしい種類の能を、あまり苦労せず、やすらかに演じ、助演者に花を持たせて、自分はその付きあいのように、控えめ控えめに演ずるがよい。たとえ適当な助演者が無くても、そんな場合、細かに身体を使う能は、いよいよやるべきではない。何といっても、観客の目につく美しさなどは、なくなっているのだ。もしこの時期までも消えない花があるならば、それこそ真の花であろう。五十ちかくの年までも消えない花をもっているような役者ならば、それは四十以前に世間的地位を得ているに違いない。』(『風姿花伝』世阿弥)